車を運転している障害者、特に車椅子ドライバーの方は常日頃、問題に直面する障害者専用駐車場。健常者による不正利用から、施設の不備まで様々な問題点を紹介していきます。
障害者専用駐車場とは
障害者専用駐車場とは、通常の駐車場より幅が広くなっている物。特に、車椅子で乗り降りする場合はドアを全開にする必要があるため、必然的にスペースが必要になってくる。
また、建物出入口の近くにあるため、悪天候時は雨などに濡れるリスクが減る。
現在、専用駐車場に健常者が駐車してしまうことが、大きな問題となっている。
コーンを置くのは論外
よく、障害者専用駐車場にコーンを置いてあるのを見かけませんか?
これ、私的な意見ですが全く無意味な行為だと思うのです。
駐車場に、警備員が常駐しており、「すぐに」コーンを動かすことが出来る体制になっていれば良いですが、そのようなことをやっているのは、ごく一部のみ。
そのため、単独でやってきた車椅子ドライバーは一度降りてコーンを動かさない限り、駐車することが出来ないのです。一度の乗降には数分は、かかるでしょう。(車椅子を下ろす→車椅子に移る→コーンを移動させる→車へ乗る→車椅子を載せる→駐車する→車椅子を下ろす→車椅子に移る→目的地へ)と、これだけの作業が必要なんです。
でも、意地でも止めようとする健常者は、10秒もあればコーンを簡単に動かすことが出来ます。明らかに、矛盾しています。
コーンは、ほとんど抑止力が無いと思われるので、置く必要は無いでしょう。コーンを動かして駐車している健常を何度も見かけています。
なお、私がコーンが置かれている場面に遭遇したときは、ほとんどの場合申し訳ないですが通行人にコーンの移動を依頼しております。
こんなのまで? 健常者による専用駐車場の不正利用
まあ、一般の乗用車が駐車している光景は多く見かけますが。中には、こんな事例もあります。
三輪バイク
はい、健常者の運転手が店内に入っていくのも目撃しています。[ブログ記事]
市役所公用車
蓮田市の公用車が、某病院の専用駐車場へ駐車していました。[ブログ記事]
広い? 狭い?
障害者専用駐車場、法律では規格サイズが決まっているようですが、統一はされていません。
中には、すごい狭い駐車場から、すごい広い駐車場まであります。
狭い場合ですが、もちろん乗降は出来ません。写真のように、一般スペースに車椅子マークが書かれただけの駐車場も存在します。
逆に、すごい広い場合ですが、スペースがあるために車と車の間に他の車が止めてしまう馬鹿者が居るのです。特に、軽自動車。
その場合、自分の車に乗ることが出来なくなるわけですから、誰かに移動させてもらう必要があります。
と言うことで、狭くも無く広くも無く、ある程度の大きさでお願いしたいです。
駐輪場へ改造
障害者専用駐車場が駐輪場に改造されています。今は、ストリートビューで証拠が残っているとかGoogleさん凄いです。
駐輪場をよく見てみると、消された車椅子マークが見えます。
なお、この件については、さすがにローソンへお問い合わせ。返答は「違法駐輪が多いので、駐輪場に転用した」との事。それなら、違法駐輪を無くす方が先なのでは?
2014年6月現在でも、新たな障害者専用駐車場は設置されていません。
便利だけど。リモコン式駐車場
イオンモールに設置されている、リモコン式の専用駐車場。リモコンも店舗共通のため、非常に便利だ。
しかし、対象者が乗っていないのに、同居家族がリモコンを利用するなど、モラルの低下も見られます。
また、ゲートの強行突破という人まで出現しています。[詳細ブログ記事]
利用対象者を増やしすぎ?
障害者専用駐車場。利用対象者は、障害者・高齢者などに加えて、妊婦・子連れなども対象としているところが増えています。
数少ないまだまだ足りていない、障害者専用駐車場ですが、健常者による不正利用のうえに、数多くの対象者が居ると言うことで、一番同スペースを必要としている、単独の車椅子ドライバーが駐車できなくなってしまうということです。
この問題は、思いやり駐車場制度(パーキングパーミット)を導入している地域でも問題になっているようで、幅が広い車椅子利用者向けの駐車場の他に、一般幅の思いやり駐車場を導入している地域もあるようです。[プラスワン制度] [参考リンク:佐賀県HP(外部サイトに繋がります)]
高齢者とは言っても、最近は元気な高齢者もいますし、妊婦さん・子連れについても、幅が広い駐車場が必要な状態の方が、単独で行動するとは考えにくいです。妊婦さんだって、目的地では普通に歩行して買い物とか出来ると思われるし。(建物出入口付近で乗降して、連れの旦那さんやご両親などに他の一般駐車場に止めてもらえばいい。)
自分は、男性ですし妊婦さんの大変さは残念ながら分かりません。しかし、下記のことだけは言わせてください。
これだけは言わせてください。単独で行動する車椅子ドライバーは、幅が広い駐車場でしか、乗降できません。
解決するには
前記通り、一部の自治体で、思いやり駐車場制度をやっていますが、あれもあくまでも罰則はありませんし、利用対象者が多すぎることが問題になっています。
障害者専用駐車場は、大まかに50台あたり1台以上の設置が基準となっているようですが、車椅子利用者だけ駐車ならまだしも、高齢者や妊婦さんなども止めるとなれば、全然足りません。
仮に現状の設置数のまま、完全に解決するには外国のように罰金制度の導入でしょう。
対象者を誰にするかが悩ましいところですが、そこは警察が発行している駐車禁止除外証の対象者レベルが適正だと思います。(対象者は、主に各種障害手帳を持ってる人。等級の制限あり)
さすがに、罰金制度を導入すれば、健常者は止めなくなると思いますが・・・
また、主に車椅子利用者などの肢体不自由者以外は、幅が広い駐車場で無くても言い訳で、内部障害、高齢者や妊婦さんなど向けに、前記で説明した、一般幅の専用スペース(プラスワン・ダブルスペースと呼ばれる)の普及を目指すべきでしょう。
個人的な勝手な考えですが、50台あたり、幅広2台・一般幅3台以上あれば、利用対象者が重ならないかなとは思います。もちろん、土地に余裕があるなら全て幅広にするのが望ましいけど。
このダブルスペースは、私の行動範囲であり、パーキングパーミットも未導入である首都圏(1都3県)ではほとんど見かけません。
更新:2015年10月4日