神経線維腫症(レックリングハウゼン病)について

神経線維腫症(レックリングハウゼン病)とは

英名 Neurofibromatosis
レックリングハウゼンとは、この病気を発見したドイツの学者から由来するそう。また、日本国内ではNFと略されたりすることもある。

この病気は、神経や皮膚など体のさまざまなところに異常が出る遺伝性の病気です。別名レックリングハウゼン病やNFとも言います。神経線維腫症にはⅠ型、Ⅱ型がありⅠ型の方が患者さんが多いです。ここではⅠ型について書いています。
原因としては、17番染色体内の遺伝子が悪さをしているようです。
患者数は、日本国内に約4万人程度。約3千人に1人いて半数は両親からの遺伝、もう半数は突然変異です。子供を生んだ場合は両親のどちらかがこの病気の場合、2分の一の確立で子供に遺伝します。
現在、治療法は無くそれぞれの症状に対してカフェオレ班や腫瘍を取り除く手術や骨の異常には整形外科で手術をしたりします。この病気は国から難病指定を受けているため重症の方は医療費の補助が出ます。ほとんどの人は普通に社会生活をしています。

症状

カフェオレ班

カフェオレ班

症状としては、皮膚にカフェオレ班(色素斑・しみ)や腫瘍、骨が曲がるなどの骨の異常(側湾症)がでます。

また悪性の腫瘍ができる場合もあります。神経に腫瘍が出来る病気なのでこの他にも様々な症状が出ることがあります。
また神経線維腫ができる数には個人差があります。症状は個人により様々です。

 

 

治療法

神経線維腫症自体を直す方法は現在のところありません。しかし症状による対処療法としてカフェオレ班、腫瘍などの美容関連の手術、骨の異常(側弯症など)には金属で骨の固定が必要になったりします。私の場合は、側弯症の手術が原因で下半身麻痺になりました。

側湾症の手術について

コルセット

コルセット

側湾症の手術についてです。手術時は出血を伴うので輸血が必要になる場合が多いです。そのため手術の1ヶ月前ぐらいより自己血を採取して手術に備えます。1回の採取で基本200mlまたは400mlです。最大30分ぐらいかかります。私の場合は計4回ぐらい採取しました。
ほとんどの場合は自己血のみで足りるそうですが、私の場合は自己血だけでは足りなかったので輸血もしました。術後はしばらくはベッド上で安静が必要です。また骨が固定されるまでのしばらくの間、コルセットを着ける必要があります。また激しい運動なども禁止です。

側湾症については、こちらで詳しく説明しています。また、神経線維腫症の方で側湾症を併発するのは全体の患者数の10%ぐらいだそうです。

私は側弯症の手術による医療事故が原因で下肢麻痺になりましたが、脊髄の血管の梗塞”かも”という説明で、正確な麻痺の原因は先生方も分からないようでした。(隠蔽していなければ)。
起きてしまったこと(医療事故)は仕方ないとしても、車椅子生活になるほど後遺症が残ったのに、それに対する補償も無く、内心では一生納得することは出来ないでしょう。

ちなみに、側湾症の手術自体で、後遺症が残る可能性は数%。さらに、私のような完全な麻痺が永続的に残ったのは0.1%以下の確率で非常に希な部類です。残念ながら100%安全というわけでは無いと言うことです。手術を受ける際は、セカンドオピニオンを強くおすすめします。
ちなみに、自分は術後感染にも感染させられています。側弯症の合併症として紹介されている症状の麻痺や感染、輸血などのオンパレードです・・

医療事故から2016年で10年が経ち、ブログにて心境も書いていますので、ぜひご覧ください。

あの日から10年が経ちました <医療事故被害者の気持ち>
https://sekisonn.com/mt/2016/11/161127.html

医療費助成(指定難病)

2015年1月からの、新制度(指定難病)の内容に更新致しました。ステージ4から、ステージ3以上に認定に変更となっています。

先ほども書いたとおりこの病気は難病のため医療費の補助が出ます。認定基準(下記表)はステージ3(2015年1月より)、ステージ4、ステージ4になります。ステージ1~2の症状が軽度の方は認定されません。

認定は国から指定された認定医からうけ診断書などを保健所に提出します。一年の所得により月額の自己負担の上限が変わります。
2015年1月より、身体障害者1級2級相当の重症認定の場合の自己負担なしになる制度は廃止され、自己負担金が発生するようになっています。障害者手帳をお持ちの場合は、心身障害者医療の方がお得になる場合があります

実際に申請する際はこのような診断書を書いてもらいます。PDFは旧特定疾患時代のもの。臨床調査個人票(PDF)

また、1年ごとに更新手続きが必要です。医療費助成についてはかかりつけの先生または最寄りの保健所にお聞きください。

<神経線維腫症Ⅰ型の認定基準>

 症状 生活活動  認定 
ステージ1 色素班と少数の線維腫が存在する学習能力の低下やてんかん、骨症状がない 日常、社会生活活動にほとんど問題ない  認定されない
ステージ2 色素班と比較的多数の線維腫が存在する中枢神経症状や中枢神経系に異常所見があるが比較的軽度中度の脊柱のいずれかがあるが、色素班は少数で学習能力の低下やてんかん、骨症状がない 日常、社会生活活動に問題あるが軽度  認定されない 
ステージ3 顔面を含めて極めて多数の神経線維腫があるが学習能力の低下やてんかん、骨症状がない 日常生活に問題はないが社会生活上の問題が大きい 認定される 
ステージ4  ・顔面を含めて極めて多数の神経線維腫が存在し、軽度または中軽度の骨病変、又は麻痺・痛み等の神経症状や神経系に異常所見がある 日常生活に軽度の問題あり社会生活上の問題が大きい 認定される
ステージ5  いずれかのうちひとつでも当てはまる場合認定・びまん性神経線維腫などによる機能障害や著しい身体的苦痛又は悪性末梢神経鞘腫瘍の併発あり

・高度あるいは進行性の神経症状や異常所見ありL高度の学習能力低下あり

L進行性や多発性の中枢神経系腫瘍がある

・高度の骨病変あり

身体的異常が高度で日常生活の支障が大きい 一つでも当てはまれば認定 

診断について

これらの症状があれば神経線維腫症(レックリングハウゼン病)を疑う必要があります。
・6個以上のカフェオレ斑 (子供の場合は0.5cm以上 大人は1.5cm以上)
・2個以上の皮膚の神経線維腫またはびまん性神経線維腫
・わきの下や股の部分の小色素斑
・目にできる小さな腫瘍 (虹彩小結節)
・特徴的な骨の病変  (側湾など)
・家系内に同じ病気の人がいる

診断や相談は医師へ。
乳児期などの健康診断で発見されることが多いようですが、症状が軽度などで中には、大人になるまで自分がこの病気だと知らなかったという方もいるようです。

私の症状

管理人の症状についてです。線維腫は背中に大きいのがあります。側湾が酷くて、背骨の固定手術(後方固定術と前方骨移植)を受けましたが、術後の後遺症(?)、医療事故(?)で下半身麻痺の車椅子生活になっています。また、術後にMRSAに感染したために固定した金属は再手術で抜き取りました。そのため現在は移植した腓骨のみで側湾した骨を支えて?います。

麻痺から感染まで、側湾症の手術で発生する危険性がある合併症が全て発生してしまったという。医者が悪いのが、自分の運が悪いのか・・・

カフェオレ班は全身にあります。

管理人の症状 神経線維腫、カフェオレ班、側湾症、虹彩小結節など

症状には個々に個人差があります。上記のような症状がレックリングハウゼン病の方全てに当てはまるわけではありませんのでご注意ください。

体験したこと

この病気で、様々な体験をしました(しています)。特に、学校生活でのいじめは酷かったです。「そのぶつぶつ何?」「キモイ」などカフェオレ班が全身にあるのでそのことについてよく言われました。
あと、俺のことを遠ざけることはよくありました。例えば、席替えで俺の隣になるのをいやがったり、小学校などで手をつなぐ場面で8割の人はつないでくれません。特に水泳の授業は苦痛でしたね。かなづちのうえに、裸になってカフェオレ班や線維腫を晒さないといけなかったわけで・・
小中学校を通して担任の教師とも何度も相談しましたが、最終的には児童・生徒の問題であり解決はしませんでした。
運動神経も悪いし、頭もバカでした。これらもこの病気と少し関係があるそうです。

追伸:このページの文章は、加筆修正を繰り返しているため、話が前後している部分などもあるかと思います。

最終更新:2017年2月08日