障害者用Suicaを作ってみた

2024/03/29

2023年3月18日より首都圏にて障害者用ICカードのサービスが開始されました。

今までは障害者割引を使う場合は事前に切符の購入や窓口にて駅員によるICカードの処理が必要でした。

これからは事前に登録手続きをした障害者用Suica・PASMOではタッチするだけで鉄道やバスで半額適用されるようになりました。さっそく障害者用Suicaを作ってきましたので手続き方法や利用の注意点を紹介したいと思います。

障害者用ICカード購入方法

障害者用Suica
障害者用Suica

対象者は2023年3月時点では大人の第1種の身体障害者と知的障害者のみ障害者用ICカードの利用対象になっています。第2種の方や小児は対象外となっています。

販売箇所

障害者用ICカードは、SuicaかPASMOのどちらかの本人用介護用の1組セットで購入となります。SuicaとPASMOの両方で発行はできませんのでどちらかを選ぶことになります。

<Suica>

Suicaエリア内のJR東日本みどりの窓口および話せる指定席券売機にて購入できます。

<PASMO>

各鉄道会社の定期券売り場や窓口にて購入出来ます。各社それぞれの案内をご確認ください。

購入方法

各社の販売窓口にて専用の申込書と障害者手帳を提示することにより購入出来ます。
JR東日本の場合はホームページにPDFがありますので印刷できる方は事前に記入しておくとスムーズかもしれません。また、自分の場合はみどりの窓口にて手続きに10分ぐらい掛りましたので列に並ぶ時間も合わせて加味すると余裕があるときに手続きをすることをおすすめします。

ちなみに既にお手持ちのICカードから切り替える方法と新規に発行する方法があります。新規に発行する場合はデジポットが必要になります。

本人用は本人の名前で記名式、介護者用はカイゴ○○(氏名)と記名されるので家族やヘルパーさんなどのその時々による任意の介護者で割引適用可能です。

また1年に1度更新が必要となっています。(まあ本人確認も兼ねてるでしょうし更新は致し方ないでしょう。)
高速道路のETC割引みたいに2年に一度だとまだ楽なんですけどね。

有効期限案内用紙
有効期限案内用紙

窓口にて写真のような有効期限が書かれた用紙はもらえますが、定期券のようにICカード自体には有効期限は書かれていないので1年後の更新は忘れないようにしましょう。有効期限切れになると自動改札が開かなくなるとのことです。

利用方法や注意点

障害者用Suica・PASMOは、首都圏・仙台・新潟・秋田・盛岡・青森の各Suicaエリア・PASMOエリアにてタッチするだけで半額となります。
(地域連携ICカード導入事業者も利用可)

先ほども書いたとおり、介護者用のICカードは家族やヘルパーなどその時々任意の1名が利用できます。

障害者用ICカードの単独利用可能なケースも

なお原則本人+介護者の同時利用とし、障害者単独での利用は出来ないと案内されていますが条件を満たせば単独でも利用できるケースもあります。

障害者割引の適用条件自体は従来通りのままですので、路線バスや従来からでも単独短距離で割引可能だった鉄道会社では障害者単独でも障害者用(本人)ICカードを利用可能としています。
リストの[※]はそれぞれ各社のリンク先(ほぼPDFになっています)となっていますので参考にしてください。

<障害者用ICカード(本人)の単独利用可能な路線>

  • ゆりかもめ []
  • つくばエクスプレス []
  • 北総鉄道(自社線内のみ)[]
  • 西武鉄道(50km以上のみ)[]
  • 秩父鉄道 []
  • 新京成電鉄 []
  • 千葉都市モノレール []
  • 都電荒川線、日暮里舎人ライナー(都営地下鉄は不可)[]
  • 横浜市営地下鉄 []
  • シーサイドライン []
  • 舞浜リゾートライン[]
  • 宇都宮ライトレール(LRT) [※1]
  • 路線バス各社(一部路線のぞく)

2024年3月29日リスト更新
※1 公式ホームページ内の案内が曖昧なので問い合わせたところ、障害者用ICの単独利用可と案内されました。

注意点

JR線においては100km以上の単独乗車でも従来通り改札窓口にて申し出ることにより割引が可能とのことです。[]

また介護者用ICカードの単独利用は不可です。

常に介護者が同伴する方は障害者用ICと介護者用ICを持ってればいいですが。自分のように介護者同伴時もあれば単独利用の時もある場合と混在してる方は、上記で紹介した以外のJRや大手私鉄などでの単独利用は今まで通りの通常料金となるので普通の一般Suicaを引き続き利用する必要があります。

そのため一般用IC・障害者用IC・介護者用ICの3枚を持ち歩き場面により使い分ける必要があります。

また、障害者用Suica・PASMOは全国相互利用対象外となります。
そのためSuica・PASMOエリア以外では普通運賃だとしても使えなくなると言うことなので関西方面などに行かれる機会がある方は同じように別に一般用のICカードを持つことをおすすめいたします。
自分の場合はカードをあまり増やしたくないので単独利用の時はもともと併用していたモバイルsuicaにしました。

乗車中に係員から障害者手帳の提示が求められる場合もあるとのことです。障害者用ICカード利用中でも今まで通り障害者手帳の携帯はしましょう。

また改札機の仕組み上、適用外の条件(JR短距離利用なのに単独で利用など)でも自動改札を通過出来ることが予想されますが、「適切なご利用方法についてご案内などを行うため、ご利用状況の確認を実施します。」とされているので、利用履歴から不適切な乗車が確認されたらそれなりの対応されることが予想されます。

今後にも期待

今までは切符を購入したり有人窓口通路にてICカードの処理をしないと利用できなかった障害者割引がICカードをタッチするだけで適用となるので大変便利になります。

ただし、現在は第1種のみ対象な事や本人用のICカードを単独利用出来る路線と出来ない路線が混在しているなど運用面はやや複雑となっています。

2024年にはtoicaやICOCAエリアでも障害者用ICカードのサービス開始が発表されていますがそれらのエリアとも相互利用や、(本人用だけでも良いので)モバイルsuicaでの対応なども進むと良いなと思いますね。
そして車椅子でもシームレスに利用できるように、最近ではだいぶ設置されましたが一部のJR駅では未設置な幅広タイプの自動改札設置を進めて欲しいところです。

なおこの記事は2023年3月現在の内容です。

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